内倉憲一 ニュースレター Vol. 353 独立を考えている人へのお話し
2025-09-03
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独立を考えている人へのお話し
 

今までずっと会社勤めや組織の一員として働いてきて、そこから「独立して自分の会社をやってみよう」と考えている方も多いのではないでしょうか。今日は、そうした皆さんに知っておいていただきたいことをお話しします。

まず大前提として、「誰かのもとで働くこと」と「独立して働くこと」では、考え方の根本がまったく違うという点を理解していただきたいのです。

組織の中で成果を残した経験は、もちろん立派なことです。しかし、それは「あなたがいたからできたこと」であっても、「あなたの業績」ではありません。会社員としての成果は、会社という枠組みや経営者の意思決定の中で発揮されたものです。したがって、それは独立後に経営者として成果を上げられるかどうかの証明にはならないのです。

独立を志すとき、多くの人は「私はこういう経験をした」「こういう場面で人から評価された」「こうして社会に貢献した」と語ります。けれども、それは残念ながら独立後の経営においてはほとんど意味を持ちません。なぜなら、それらはすべて「誰かの組織の中」で成し遂げたことだからです。

独立するとは、比喩的に言えば昨日まで将軍だった人が、今日からは王様になることです。将軍は王様の命令のもとで軍を率いる存在です。しかし王様は、誰の指示もなく、自ら決断し、自ら責任を負い、ゼロから国を築いていく存在です。

ですから、「まず仲間を集めてグループで始めよう」「みんなで話し合って会社を作ろう」という発想では、物事は前に進みません。起業は最初から大勢で始めるものではないのです。まずは自分ひとりで始めること。自分ひとりで形を作ること。
それができて初めて、必要に応じて人を加え、組織を大きくしていくのが本当の起業なのです。

独立とは、自分自身が意思決定のすべてを担い、リスクを背負い、責任を取ることです。誰かが助けてくれるのを待つのではなく、まずは自分の手で動かす。その積み重ねがやがて会社となり、事業となり、社会に影響を与える存在へと育っていきます。

ですから、もしあなたが「独立してみたい」と思うなら、まずは周囲を頼る前に自分ひとりでどこまでやれるのかを試してみてください。それが本当の意味での起業家への第一歩です。。

 
 
 





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