起業する場合の第一歩として、まず考えなければならないのは「何を売るのか」という点です。これは非常にシンプルに聞こえますが、実はここが最も重要で、かつ時間をかけて考えるべき部分でもあります。

 

商品を売るのか、それともサービスを提供するのかによって、その後に考えるべきことは大きく変わってきます。
商品を扱うのであれば、その商品は誰が作っているのか、自分自身で製造できるのか、あるいは外部に委託するのかを明確にする必要があります。また、生産量はどの程度を想定しているのか、生産コストはいくらかかるのか、さらに保管や配送といった流通コストも無視できません。加えて、どこでどのように販売するのか、実店舗なのか、オンラインなのか、卸なのか直販なのかといった販売方法も重要な検討事項になります。

 

一方、サービスを提供するビジネスの場合は、どのようなサービスを提供できるのかを具体的に考える必要があります。そのサービスを提供するために資格や免許が必要なのかどうか、法的な制約はないのかも確認しなければなりません。また、そのサービスが人の時間やスキルに依存する人的サービスなのか、コンピューターやシステムを使って提供できるサービスなのかによって、拡張性や将来の成長性も大きく変わってきます。

 

さらに重要なのは、「誰がその商品やサービスを必要としているのか」という視点です。自分がやりたいことだけでなく、実際にお金を払ってくれる顧客が存在するのか、競合は誰なのか、その中で自分はどのような価値を提供できるのかを考えることが欠かせません。

 

これらの点がある程度整理できれば、次に考えるべきことは資金計画や価格設定、集客方法などになりますが、実はここまで来れば起業そのものはそれほど難しいものではありません。
起業が難しく感じる多くの理由は、最初の「何を売るのか」「誰に売るのか」という部分が曖昧なまま進もうとするからです。ここをしっかり考えることが、起業を成功に近づけるための最も確実な第一歩だと言えるでしょう。