ロールスロイスの本当のビジネス
2025-12-30
ロールスロイスの本当のビジネス...

ロールスロイスの本当のビジネス

ロールスロイスと聞くと、多くの人は超高級車ブランドを思い浮かべます。しかし現在のロールスロイスの本業は航空機エンジンです。しかも彼らのビジネスの本質は、エンジンを売ることではなく、「エンジンが動き続けること」を月額・時間課金で提供するサブスクリプションモデルにあります。
 
ロールスロイスは「Power by the Hour」と呼ばれる仕組みを採用しています。これは、航空会社がエンジンを購入した後、そのエンジンが飛行機として実際に稼働した時間に応じて料金を支払う契約です。整備、部品交換、監視、修理、オーバーホールまですべてロールスロイスが引き受けます。航空会社は高額な整備体制を自社で抱える必要がなく、安定したコストで運航に集中できます。
 
つまりロールスロイスは、エンジンという「モノ」を売っているのではなく、「止まらずに飛び続ける保証」を継続課金で提供しているのです。飛行機が1時間飛ぶごとにロールスロイスに収益が入るため、このモデルは典型的なサブスクリプション型ビジネスと言えます。
 
かつてロールスロイスは自動車も製造していましたが、売り切り型のビジネスは価格競争や在庫リスクが大きく、経営を不安定にしました。一方で、航空エンジンのサブスクリプションモデルは、長期契約と継続収入を生み出し、企業の価値を根本から変えました。ロールスロイスの強さは技術だけでなく、「動き続けることを売るサブスクリプション」というビジネスモデルにあるのです。
 
 





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