歴史を超えたデザイン ― ジェリカン(Jerry Can)
2026-01-15
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歴史を超えたデザイン ― ジェリカン(Jerry Can)
私たちの身の回りには、「なぜ今もこの形のまま使われ続けているのだろう」と思う道具があります。その代表例のひとつが ジェリカン(Jerry Can) です。80年以上前に誕生したにもかかわらず、基本構造がほとんど変わっていない。これは偶然ではありません。
ジェリカンは1930年代後半、ドイツの Wehrmacht 向けに開発されました。当時、機械化が進む軍にとって「燃料を安全に、素早く、無駄なく運ぶ」ことは死活問題でした。従来の燃料缶は壊れやすく、漏れやすく、扱いにくかったのです。
そこで生まれたジェリカンの設計は、驚くほど合理的でした。
鋼板をプレスしたボディに刻まれた X字の補強 は強度と内圧変化への耐性を両立し、3本ハンドル は1人でも2人でも、さらにはリレー方式でも運べるよう工夫されています。工具なしで開閉できる カムロック式キャップ も、現場視点の設計です。
鋼板をプレスしたボディに刻まれた X字の補強 は強度と内圧変化への耐性を両立し、3本ハンドル は1人でも2人でも、さらにはリレー方式でも運べるよう工夫されています。工具なしで開閉できる カムロック式キャップ も、現場視点の設計です。
第二次世界大戦(World War II)の初期、連合国軍はこのジェリカンを実際に目にし、「自分たちの装備より圧倒的に優れている」ことを認めざるを得ませんでした。結果としてイギリス、そして United States militaryがこの設計を採用し、大量生産することになります。
戦後、ジェリカンは軍用品の枠を超え、民間へと広がりました。災害時の燃料保管、農業、建設、アウトドア、探検。用途が変わっても、形は変わらない。それは「目的に対して最適化された設計」が、時代や国境を超えることを証明しています。
私は長年ソフトウェアやサービスの設計に関わってきましたが、ジェリカンを見るたびに思います。
本当に優れたデザインとは、流行らないことだ。
改良の余地がないほど考え抜かれているからこそ、変わらず使われ続ける。
本当に優れたデザインとは、流行らないことだ。
改良の余地がないほど考え抜かれているからこそ、変わらず使われ続ける。
ジェリカンは単なる燃料缶ではありません。
それは、「問題を正しく理解し、現場から考え抜いた設計は、80年経っても通用する」という、ものづくりの教科書そのものだと思います。
それは、「問題を正しく理解し、現場から考え抜いた設計は、80年経っても通用する」という、ものづくりの教科書そのものだと思います。
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