なぜ自衛隊はイラクで“緑の迷彩服”を着ていたのか
2026-03-16
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なぜ自衛隊はイラクで“緑の迷彩服”を着ていたのか
2004年、日本の自衛隊はイラク復興支援のために派遣されました。当時、日本が海外の戦地に自衛隊を送るということ自体が国内で大きな議論となり、政治的にも非常に慎重な対応が求められていました。
イラクといえば砂漠の国です。普通に考えれば、砂漠用の迷彩服(デザートカモ)を着るのが自然です。しかし実際に派遣された自衛隊員の多くは、日本で普段使用している緑色の迷彩服(ウッドランドカモフラージュ)を着ていました。なぜでしょうか。
理由の一つは、当時の自衛隊の標準装備がこの緑色の迷彩服だったからです。自衛隊は基本的に日本国内の防衛を目的としているため、日本の地形である森林や山岳地帯に適した迷彩服が標準になっていました。砂漠での作戦を想定した装備はほとんど整備されていなかったのです。
もう一つの理由は政治的な意味合いです。日本政府はこの派遣を「戦闘ではなく復興支援」と強く説明していました。自衛隊の任務は水の供給、医療支援、インフラ整備などでした。そのため、わざわざ砂漠用の戦闘装備を新しく整えるよりも、普段の装備で派遣する方が国内的にも受け入れられやすかったという側面があります。
さらに自衛隊が駐留したイラク南部サマーワは、比較的治安が安定している地域とされており、基地の警備はオランダ軍や後にオーストラリア軍が担当していました。
この経験をきっかけに、自衛隊はその後の海外派遣や国連平和維持活動に備え、砂漠用の迷彩服などの装備を徐々に整備していくことになります。
つまり、イラクで見られた“緑の迷彩服”は、日本の自衛隊の歴史と政治事情を象徴する、少し興味深いエピソードだったと言えるでしょう。
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