内倉憲一 ニュースレター Vol. 386 稟議制度 ― 成功も失敗も「個人のものにしない」意思決定
2026-04-22
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稟議制度 ― 成功も失敗も「個人のものにしない」意思決定

日本の企業では、重要な意思決定が会議で一人の上司によって決められるとは限りません。代わりに使われるのが「稟議(りんぎ)」というプロセスです。

稟議は、一見すると時間がかかる仕組みに見えます。提案書を作成し、関係者に回覧し、承認印をもらいながら進めていきます。外から見ると「非効率」に感じるかもしれません。

しかし、目的はスピードではありません。
目的は「合意形成」です。

そしてもう一つ大事な点があります。それは、誰か一人に責任や功績を集中させないことです。うまくいった時に一人だけが評価されることもなければ、失敗した時に一人だけが責任を負うこともありません。

アメリカのように、個人のリーダーシップや決断力を重視する文化とは対照的です。

稟議では、意思決定の段階で関係者全員が内容を理解し、納得し、関与します。そのため、決定後の実行がスムーズになります。後から反対や摩擦が起きにくいのです。

確かに、最初の段階では時間がかかります。
しかし、その分、実行段階でのロスが減ります。
これは責任を曖昧にする仕組みではありません。
責任を組織全体で共有する仕組みなのです。

日本の企業文化を理解するには、この考え方を無視することはできません。
 
 





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